ペットショップで生後2ヶ月のねこを購入しました。
購入5日後に、健康診断のため動物病院に連れて行ったところ、心臓に先天性の欠陥があり、余命1年と言われました。
このような場合、ペットショップに対してどのような対応を求めることができるでしょうか。
A:
損害賠償の請求や契約を解除した上で売買代金を取り戻すことなどができます。
【他のねこに代えるよう要求できるか】
ペットショップでねこをペットとして買う際には、例えば、「生後○○ヶ月の・・ちゃん」と書かれたショウウィンドウを見てそのねこがほしいと思って買うのが普通ですから、引き渡されたねこを他のねこに代えるよう請求することができません(特定物売買といいます)。
この場合には、後でご説明する契約解除による代金の取戻しや損害賠償請求を考えることになります。
一方、設例のねこのケースだと考え難いですが、小型の爬虫類などをペットで買う場合など、その種類の生き物ならなんでもよい、という売買をした場合には、売主はその種類の標準的な品質のものを引き渡す必要があります(不特定物売買といいます)。
しかし、病気にかかっているペットは標準に満たないので、いまだ契約に基づいた履行がありません。従って、この場合にはペットショップに対して病気にかかっていないペットを再度引き渡すよう請求することができます。
【代金の返還や損害賠償を請求できるか】
一般に、「その目的物」にこだわって売買契約を締結し、その目的物に隠れた欠陥があった場合には、買主は売主に対して損害賠償の請求ができ、また、その欠陥により売買の目的を達成できないときは契約を解除して売買代金を取り戻すことができます(民法570、566条)。
ご質問のケースは、ねこの心臓に先天性の欠陥があり売買契約の目的物に隠れた欠陥がある場合に該当しますので、この場合、買主は販売者に対し損害賠償の請求ができます。
また、ペットの売買ではその後に継続的にペットとして飼育することを目的としていると考えられるので、心臓欠陥により余命が通常の寿命よりはるかに短い1年であり売買の目的を達成できないとして、契約を解除した上で売買代金を取り戻すこともできるでしょう。
【動物取扱業者の義務】
動物取扱業者は、ペットの販売にあたり、当該動物の病歴、ワクチンの接種状況等を説明する文書や、売買契約にあたり飼育・保管している間の疾病治療に関し獣医師が発行する疾病等の治療に関する係る証明書の交付が義務付けられています(動物愛護管理法施行規則8条4、5号)。
ペットを買う際には、後々のトラブルを避けるために、業者が把握している病歴について知っておくことが有益です。
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